墓地建設計画:柏で急増 隣接自治体規制強化で、市が許可条例改正へ /千葉

【引用】:毎日新聞(2009/5/28付)


 柏市内で進められている墓地建設計画が27日現在、8件と急増していることが市の調査で分かった。
隣接自治体で相次ぎ規制が強化される中、開発業者らが従来の緩い基準を維持する柏市に狙いをつけているためとみられる。
慌てた市は6月議会で許可条例を改正し、他市と足並みをそろえる構えだが、少なくとも3件は現行条例で許可される見通しだ。


 市によると、墓地建設の許可件数は05〜08年まで、毎年度0〜2件で推移してきた。ところが、08年度中に突如、8件の建設計画が浮上した。農地や空き地などを利用し、1件当たり2000〜100基の規模だが、合計すると約6000基となる。一部では建設計画を巡り住民が反対する動きもある。

 このため、市は市内の宗教法人を調査。現在2万5000基ある墓地のうち5000基は空いており、「墓地数は適正」と判断、規制強化を決めた。


 周辺の松戸や流山、我孫子などでは昨年のうちに、規制を強化する条例改正を実施済み。松戸市では06〜07年に墓地数が急増。需給バランスが崩れ、昨年12月に規制を強めた。その後、許可は1件もない。

 相次ぐ規制強化で行き場を失った宗教法人や開発業者が、規制の緩い柏市に狙いを付けたものとみられ、市の担当者も「開発が加速している」と焦燥感を強めている。


 改正条例案では、従来どこでも設置できた墓地を、寺院などの敷地内や地続きの土地に限定。50メートル以上必要だった住宅との距離は100メートル以上と厳しくする。申請できるのは、市内に主たる事務所がある宗教法人。6月議会に提出し、9月1日の施行を目指す。

 今のところ、8件中3件は事前協議書を市に提出済みで、問題なければ現行条例で許可される。残り5件も住民説明会を経て8月末までに協議書が出されれば、現行基準で審査される。市は「近隣と同一基準にすることで市境でのトラブル解消にもつながる」と説明している。


【引用】毎日新聞(2009/5/28付)