新居浜市が合葬式墓地の整備を推進

新居浜市愛媛県)は市営平尾霊園(同市観音原)内に、本年4月開設予定の合葬式の屋内納骨施設を整備する条例改正案を、昨年12月の定例市議会に追加上程した。
少子化の拡大や家庭環境が大きく変化していく中、合葬式墓地は寺院を中心に増える傾向にあるが、公営の合葬式墓地としては県内初となる。
永代供養墓3,776区画(1区画3.3平方メートル)を備える平尾霊園の残区画減に伴い、2007年頃より新墓地の検討を開始した。


同年、市民1,200人を対象に実施したアンケート(回答数419人)では、「合葬式を利用したい」が27.3%、「利用したくない」が25.2%となり、墓地所有者の18%が「合葬式に変えたい」との割合となった。
市は「埋葬に対する考え方や家族関係が変わってきている」として、合葬式墓地を計画する運びとなった。


施設整備の事業費は1億3,000万円。鉄筋コンクリート平屋造りで延べ床面積約175平方メートル、納骨壇はロッカー式を使用し、最大1,500体分の骨壷が納められる計画だ。また2004年の台風被害から、災害への耐性の強い施設造りの必要性も考慮していったという。
屋外には献花台と焼香スペースが設けられており、その奥に設えられたガラス窓より内部を見ることができるような造りになっている。
施設内に入室できるのは、盆や彼岸など年4回となる。 同市内に住んでいるか、もしくは本籍がある方に限り、生前予約も受け付けるものとする。


当面、1人用納骨壇200区画(使用料:1万5,000円/1 年)、2人用納骨壇300区画(使用料:2万1,000円/1年)を用意し、以降順次増設していくものとする。申請利用期間(最大25年)を過ぎると、地下の合葬室に埋蔵されることになる。合葬室への埋葬は、一律1体1万5,000円となる。