合葬式墓地:県内公営で初、香久山墓園に 完成後、募集開始

【引用】:毎日新聞(2011/5/15付)


   橿原市南山町の市営香久山墓園に、県内の公営墓地としては初めて、多くの人の遺骨を合同で葬る合葬式墓地が建設される。経済的な理由や少子高齢化などで、区画墓地を購入して管理を続けていくことが困難な人が増えているためで、来年1月の完成後に市民を対象に募集を始める。

 一般的に、合葬式墓地の管理は販売業者や自治体が行っている。従来の区画墓地に比べて安価で、家族などの管理や供養が必ずしもいらないため、90年代初めごろから、新しい形態の墓地として注目されるようになった。

 公営では、横浜市や東京都東村山市などが先進地で首都圏に多い。近畿では07年に大阪府四条畷市など4市の事務組合が運営する「飯盛霊園」に作られた。大阪市も昨年3月に設置し、神戸市も検討している。

 県内では民間の運営する合葬式墓地はあるが、公営墓地にはない。同市が08年に行ったアンケートで、市民の要望が多かったことから、09年から計画を進めていた。

 市が計画している合合葬式墓地は、鉄筋コンクリート造りの地上1階、地下1階の延べ70平方メートル。地上部分は約2000人分の骨壺を安置できる納骨棚が置かれ、原則として10年後には地下に移動。地下には約5000人の遺骨を納めることができるスペースが設けられる予定。

 建物内に立ち入ることはできず、正面に設けられる香久山を見立てた無宗教のモニュメントや献花台の前で参拝する。

 骨壺を納める場合も、地下に納骨する場合でも1体約5万円を予定している。また、希望者はモニュメント脇の銘板に、ステンレス製の名前プレートを約3万円で設置することができる。


【引用】:毎日新聞(2011/5/15付)