清明節:中国のお墓参りと先祖供養

春のお彼岸が終わり、本格的な春到来。


お彼岸の中日が24節気の春分の日で、日本独特の習慣ということを前回触れましたが、お隣り中国でもお墓参り(先祖供養)の行事が始まります。
今日は中国のお墓参り行事のご紹介。

清明(qing ming jie)と言いますが、毎年4月5日前後。
その由来は古く、およそ2000年前の「鬼節」からきていると言われています。
(旧暦の3月3日。近年祭日を統一するため、4/5前後と制定)
今年は4/4〜4/6の期間で中国では三連休となります。


清明節は農暦(旧暦)の24節気の1つ。
春風が吹き、暖かくなると、空気は新鮮で爽やかになり、天地は明るく、清らかになる。
それで「清明」と言われています。


この清明節には一族そろってお墓参り。お墓を浄め、ご先祖様を供養しますが、
別名「掃墓節(お墓を清める日)」とも言います。お墓のない人でも、
”紙のご供物”を燃やして、ご先祖様がいるあの世に向けて回向します。


ワタシはかつて中国に数年留学しており、香港・台湾含め大陸を頻繁に
往来していました。
清明節の中国は季候も良く、なかなか楽しいものがあります。
中国の友人一族と一緒にお墓参りに行ったこともありますが、明るくにぎやかに
ピクニックモード♪
春の空気吸いながら自然と触れ合い、ご先祖様のお墓を前に豪勢な食事。
歌って語らって痛飲。あの世の先祖とこの世の一族で大いに盛り上がりました。


それから、”紙のご供物”。これは中国ならではの発想でもあり、傑作です。
紙のお金を「紙銭」と言いますが、その紙銭を燃やしてあの世のご先祖様に
送ります。元、米ドル、ユーロ、・・・通貨も多種多様。
あの世銀行への送金?!



物質的に豊かになった現代の中国では、その”紙のご供物”商品群がとみに増えており、
この時期の露店をみていてあきれるやら、感心するやら・・。
 タバコ、お酒、麻雀牌、洋服・・・。
 車、冷蔵庫、パソコン、扇風機、ゲーム・・・。
 もありますが、紙とは言え結構しっかり作られているんですよ。
また、びっくりしたのは(めかけ)というのも・・・。 (; ̄ー ̄)A


 ワタシ:「えっ・・、あの世で妾なんて・・。いいの?」
 NaiNai(おばあちゃん):あの人(亡くなったおじいちゃん)はこの世でうるさい私一人だったからね。あの世では妾の一人や二人くらい・・・自由にさせてやらなくちゃー(笑)」


という会話を、清明節の露店前で交わしたことを昨日のことのように覚えています。



この”紙のご供物”は、『何不自由なくあの世で暮らせるように・・・』、との想いからですが、
あちらでそんなお金が必要なの・・。
あの世にまでこんな俗物を送って・・・。


それはともかく、急速に発展し、名実ともに世界の中心になるべく突き進んでいる現代中国。
あの世とこの世を結ぶ、今年の清明
「紙ご供物」流通市場と「紙銭」金融市場。(今年は世界の景気後退が影響するかも・・??)


これから紙市場が忙しく動き始めますが、中国の”あの世”社会もご先祖様も
さぞかし豊かになっていることでしょう。


今日は、中国の清明節のご紹介でした。
再見!